評価:★★★★★
なぜ、この本を読もうと思ったか
この著者の作品は今までに読んだことがなく、この作品が初めて。この本を手に取った理由は、タイトルと「スカッとできて、最後は泣ける」の謳い文句に惹かれたから。「やめたい、やめたい」と思いながら仕事をしていた頃を思い出し、読んでみることに。
主な登場人物
- 青山 隆・・・この物語の主人公。ブラック企業に勤めていて疲れきっている。
- ヤマモト・・・この物語の重要人物。隆の同級生(自称)。
- 五十嵐先輩・・・隆の会社の先輩で、隆の部署のエース的存在。社内でも一目置かれており、隆の憧れの人。
- 隆の会社の上司・・・隆の会社がブラック企業と化している諸悪の根源。
あらすじ
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか?気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、3年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった__。スカっとできて最後は泣ける“すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー”
第21回電撃小説大賞<メディアワークス 文庫賞>受賞作。
読んだ感想
不況が長く続いている世の中、仕事を辞めても次の仕事がなかなか見つからないかもしれない…と思うと、どんなに嫌な会社でもなかなか辞める決断ができなかったりする。悩みに悩んでどうすることもできなくて、命を絶ってしまう人も世の中には多くいるのかもしれない。そういう人達は、会社を辞めるよりも死ぬことの方が簡単だったのだろうか?__。今もし「会社が嫌すぎて死んでしまいたい…」だなんて考えている人がいるとしたら、「会社辞めることと、死ぬことは、どっちのほうが簡単なわけ?」そのふたつを天秤にかけて考えてみて欲しいと思った。会社に限らず、「◯◯が嫌で耐えられない、死んでしまいたい」と思っている人も。命を絶つよりも、改善するための行動を起こすことの方が簡単だという事に気がついて欲しいと思う。
心に残った言葉
- 「隆にとって、会社辞めることと、死ぬことは、どっちのほうが簡単なわけ?」(ヤマモト)
- 「あとの半分は、お前を大切に思ってくれてる人のためにある」(ヤマモト)